不妊治療薬
女性ホルモン
特定の鍵が特定の錠前に合うように、ホルモンの働きは、特定の分子配列によって決定される。
ステロイド系のホルモンはみな似ているが、与える影響は全く異なる。
ステロイド系ホルモンの分子配列を見ると1つ2つの僅かな違いが有るだけで殆ど同じように見える。
こちらに水素原子が1つ、あちらに炭素原子が1つといった僅かな違いが、男と女、妊娠と不妊、疲労とエネルギー、前更年期症状と健康の違いを作るのである。
参考図書
医者も知らないホルモン・バランス
医師ジョン・R・リー/著
今村光一・伊藤由起子/訳
不妊治療でよく使われる薬
不妊治療でよく使われる薬の作用と副作用
- セキソビット
適応・・・・・排卵の誘発
副作用・・・・頭痛・吐き気・目のかすみ・顔のほてり・発疹・多胎妊娠
- クロミッド
適応・・・・・排卵の誘発
副作用・・・・頭痛・吐き気・目のかすみ・顔のほてり・発疹・多胎妊娠
- hMG
適応・・・・・排卵の誘発・卵巣の刺激
副作用・・・・卵巣過剰刺激症候群(OHSS)・脳梗塞・血栓症・多胎妊娠
- デュファストン
適応・・・・・黄体機能不全・切迫流早産・習慣清流早産・月経周期や経血量の異常
副作用・・・・頭痛・吐き気・むくみ・眠気・発疹・肝機能の異常・血栓症
- hCG
適応・・・・・排卵の促進・黄体の補充
副作用・・・・排卵誘発剤との併用で卵巣過剰症候群(OHSS)
- プレマリン
適応・・・・・卵巣機能不全・機能性子宮出血
副作用・・・・頭痛・吐き気・むくみ・めまい・発疹・おりもの増加・不正出血・血栓症
- ソフィアA
適応・・・・・機能性不妊症・機能性子宮出血・月経周期や経血の異常・卵巣機能不全
副作用・・・・頭痛・肩凝り・吐き気・むくみ・めまい・発疹・不正出血・肝機能の異常・血栓症
- テルロン
適応・・・・・高プロラクチン血性排卵障害
副作用・・・・頭痛・吐き気・むくみ・めまい・目向け・ほてり・発疹・急激な血圧低下
- スプレキュア
適応・・・・・子宮内膜症・子宮筋腫
副作用・・・・うつ状態・不正出血・血小板減少症・心筋梗塞
- ロ・リンデオール
適応・・・・・機能性不妊症・機能性子宮出血・月経周期や経血の異常・卵巣機能不全
副作用・・・・頭痛・肩凝り・吐き気・むくみ・めまい・発疹・不正出血・肝機能の異常・血栓症
- 小児用バッファリン
適応・・・・・血栓や塞栓形成の抑制(不育症の流産予防)
副作用・・・・頭痛・吐き気・むくみ・めまい・発信・耳鳴り・貧血・喘息発作
- プレドニン
適応・・・・・血液障害・副腎皮質機能障害による排卵障害
副作用・・・・免疫力の低下・うつ状態・頭痛・吐き気・むくみ・月経異常・血栓症・心筋梗塞
排卵誘発剤の定義
排卵をおこすことを目的として使用される薬剤。
直接的あるいは間接的に性腺を刺激して排卵を誘発させるもの。
副作用に打ち勝つ
不妊治療は妊娠させるための治療で、薬も改善のための薬ではありません。
急激に体の一部の機能を高めるためその反動として副作用が現れる可能性も高くなります。
副作用
これまで副作用が出なったからと言って、これからも大丈夫とは限りません。
全く副作用が出ないと言う方もいますが、表面的に出ないだけです。
薬を使う限りは副作用を避けることは出来ません。
薬の副作用に打ち勝つ強くたくましい体を作りましょう。
- 多胎妊娠
これは一度に何個もの卵が排卵されたために起きます。
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
排卵誘発剤によって卵巣が過剰に反応、最も思い副作用です。
卵巣腫大、腹水、胸水などを伴い、胸腹水による呼吸困難、卵巣出血あるいは破裂によるショックなど救急治療を必要とすることも多い。
卵巣腫大のみの時は、約1ヶ月で通常は正常に戻ります。
排卵しにくい卵巣に対して排卵誘発剤を使ったときに、卵巣が過敏に反応しおなかが張ったり、卵巣が大きく腫れてしまうことがあります。
この現象は急激に起こるため、前もって予測することはできません。
排卵誘発剤は不妊治療にとって、妊娠率も大変高くなると言われていますが?
- クロミッド
非生理的な物質でありながら、強い排卵誘発効果があります。
その作用は不明な点が多いそうです。
何らかの形で、下垂体からのゴナドトロピンの分泌を誘発して排卵を起こすそうです。
クロミッドという排卵誘発剤は、排卵率は高くなりますが、排卵率に比べて妊娠率は低いと言われてます。
子宮内膜が厚くなるのを妨げるからです。
卵胞が多く育ちすぎて、卵巣が腫れ上がってしまい[卵巣過剰刺激症候群]を起こすとも言われています。
排卵が近づくと、精子を通過しやすくするため子宮頚管から粘液が分泌されるのですがクロミッドは、子宮頚管の粘液を減少させるため精子が通過しにくくなります。
排卵誘発剤の治療では黄体ホルモン剤が併用されることが多いのですが高温期と低音気の温度差が0.5℃以上になったり、月経期に入っても体温が下がらないなどの問題が出ることもあります。
黄体ホルモンが過剰になり月経期に不要になった子宮内膜と中の血液(経血)がスムーズに排泄されないため、卵胞期の卵子の発育にも悪影響になります。
厚生労働省医薬局安全対策課の報告(平成14年6月25日付)
1994~2002年までに排卵誘発剤による副作用321人で440件(ひとりに複数件の副作用がある場合があるため)
うち5名死亡、未回復7名(転帰不明を含む)、
後遺障害20名(失語症、半身麻痺、卵巣摘出など)が記録されている。。
この厚生労働省の調査は、社民党議員の北川れん子さんの国会質問をきっかけにして行われたものです。
- 死亡例
1995年 30歳代前半 メーグス症候群
1995年 20歳代後半 腹水、卵巣腫大、脳梗塞
1996年 20歳代後半 脳梗塞、卵巣過剰症候群
1996年 20歳代後半 脳梗塞、卵巣過剰症候群
1999年 30歳代前半 脳梗塞、卵巣過剰症候群
排卵誘発剤を使う目的
- 排卵する力が足りないとき
卵が成長しなかったり、排卵が起きにくい、または起きないときに、ホルモンの不足している部分を補う。
- 自然排卵はあるけれど、妊娠の確率を高めるために、複数の卵を排出させる。
卵巣から二つ、三つの卵を排出させることで、受精のチャンスを増やす目的。
使用方法
排卵誘発剤には飲み薬と注射薬とあります。
少量からはじめ、徐々に投与量を増やしていくのが一般的です。
そして排卵がうまくいくようになったら、その量で維持していく。
注射のほうが副作用は大きいが、質の良い成熟卵を作ることができると言われています。
併用されることもあります。
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